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バリキャリ先輩の踊る、情熱的なフラメンコ。その姿にただただ圧倒された。

ダンスについて

「フラメンコの発表会、観に来てくれない?」

以前、会社の先輩から突然フラメンコの発表会にご招待されたことがあります。

私はまだ入社し2年目、先輩はすでに5年のキャリアをもっていました。
どこかノンビリしているといわれる私と違って、先輩はテキパキと仕事をこなしていく、いわゆるキャリアウーマン。

密かに憧れはするものの、どうあっても自分は先輩のようにはなれないな、と感じていました。
同じ部署ですから当然お仕事で言葉を交わすことはありましたが、そんなプライベートは話題で声を掛けられたのは、たぶんその時が初めてだったと思います。

最初は、先輩と一緒にフラメンコの発表会を見に行かないか、という意味だと思っていました。
それでも充分すぎるほど意外でした。
それぐらい先輩とフラメンコというものが結びつかなかったからです。

けれどよくよくお話を聞いてみると、なんと先輩ご自身がフラメンコの発表会に出るから見に来て欲しいと、そういう意味でのお誘いだったのです。

おどろきました。
けれど同時に、私はものすごく興味を惹かれました。

普段は真面目でどちらかといえば近寄りがたい雰囲気のある先輩がフラメンコを踊る姿というものに。
私はその場で先輩からのご招待をお請けしました。

当日、私はご招待を受けた会場に。
想像以上に大きなホールに圧倒されつつも、まだどこかで客席はガラガラなんじゃないかとか、フラメンコといってもどこか拙いダンス程度のものを見せられるのではとか、そんなことを考えていました。
実際、その時はまだ、どうして先輩が私に声を掛けてくれたのか、よく分かっていなかったのです。

だから、普段あまり話したこともない私に声を掛けるぐらいなのだから、きっと集客がきびしくて、だれかれ構わず声を掛けたのではないかと、そんなふうに思っていたのです。

ところが、会場の扉を開けてびっくり。
まだ開演まで30分近く時間があるのに、すでに観客席の半分以上が埋まっています。
え? もしかして先輩ってすごいのかな? そんなことを考えたのを覚えています。

発表会は、いくつかのチームが順番に踊っていきます。
みな艶やかできらびやかな衣装に身を包み、シャープなメイクを施して舞台に登場します。

カッコイイ。

女性の目から見てもそう思いました。
独特なギターのリズム。
そして何よりあの靴音。

観客席で観ている私にまで伝わってくる空気の震え。
あっという間に引き込まれてしまいました。

そして発表会の最後、先輩が登場しました。
その姿を目にした途端、私は息を呑みました。

すっと伸びた背筋、つんと上向けた顔、スポットライト。
これまでとはまるで違う空気感。

真っ赤なドレスに黒いボレロを身に纏った先輩は、勇ましく、そして華やかにステップを踏んでいきます。
手のひらを打ち鳴らす時の張り詰めた緊張感、くるりとスピンをした時に翻る赤いドレスの裾。
どれも、日ごろの先輩とはまったくの別人でした。

あまりに素敵すぎて、途中から私は涙をこぼしてしまったほどです。

すべての舞台が終わったときは、まるで私まで踊っていたかのように、どっと身体の力が抜けてしまいました。
へとへとになって席を立ったものです。

その日、私にとっての先輩は、私にとっての最も憧れの女性へと変わったのです。

ダンスは初心者でもできる?

そんなダンスですが、
「ダンスはまったくの初心者なんですが、出来ますか?」という質問を頂くことがあります。

その答えは
「もちろん、できます」の一択です。

ダンスはもともと、体を動かして楽しむためのものですから、
上手下手なんてありませんし、
初心者もベテランも、同じです。

ベテランは初心者の人より、ほんの少しだけステップを知っていたり、
音楽に合わせて体を動かすことに慣れているだけです。
体力もあまり関係がありませんし、還暦を過ぎてから始められる方も多いです。

白髪でダンスを踊っている方は、
メチャクチャかっこいいですよ!

もちろん、歩き始めたばかりの2歳から始めるお子さんも多いですし、
要するに、ダンスは年齢も性別も関係ないってことです。

好きなように踊って、ダンスを、音楽を楽しみましょう!

(ダンスジャンルや様式や振付なんてものは、『ついで』です、『ついで』。
 自由にのびのびと踊る事こそが、ダンスの本質ですから!)